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勤労感謝の日でもある本日は『望星 20224月号』の取材で、港の見える丘公園にある神奈川近代文学館に出かけていました。

秋晴れの気持ちよい日で、バラも美しく咲いていました。

毎年この時期に行われる、年に一度の「かなぶん連句会」の取材です。
東海大学で行われている時から取材しているので、今年でもう8回目くらいでしょうか。



この取材のお声がかかると、「もう今年も終わりだなあ」と毎年感じます。

今年の巻名は「てっぺんの柿の巻」

発句 てっぺんの柿になりたき老婦人 ゆかり(秋)
脇  眼玉(めんたま)くはえて百舌(もず)は飛び去る 登(秋)
第三 荒涼たる核の地獄を月照らす 櫂(秋・月
四  トロッコに乗る猫と少年 ゆかり(雑)
五  見て来たぞブラックホールに架かる虹 登(夏)
六  今季百号大ホームラン 櫂(雑)

「かなぶん連句会」では、選者の長谷川櫂さん(俳人)
長谷川櫂さん(俳人)
小島ゆかりさん(歌人)
辻原登さん(作家・神奈川近代文学館館長)
が詠んだ上記の第六句に続けて、当日会場に集まった参加者が七句目以降を読み、半歌仙(18句)の連句を完成させます。

私は句は詠まず、その様子を取材させていただいているのです。
が、会場にお集まりの60名くらいの方々全員で連句の世界観を作り上げていく様は、端で見ていてもワクワクする感覚を覚えます。


連句会では、
・前の句とつきすぎない
・場面を飛躍させる
けれど
・全体としてのまとまりがある
など、
さまざまな感性が絡み合って巻き上げていきます。

なので、単なる連想ゲームではなく、そこに繊細な奥行きが加えられている、気品ある遊び
と同時に、
人間の情感のドロドロした部分やどうしようもない性が垣間見えたりして、非常に面白いのです。

今年は満員御礼で、沢山の良質な句が登場していました。

それらが集まり、巻き上がった半歌仙および、選者の先生方のトーク(これがまた教養深く面白い!)をまとめたものは、雑誌『望星20224月号』(2022315日売)に掲載予定です。

終わる頃には、もう日がとっぷりと暮れていました。

2021年は、どんな年として、終わっていくのかなあ。
そんな思いとともに、編集さんと来年への展望などを語らいながら公園を後にしました。

 

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